輪島塗箸とは

木製木地(ヒバ・アテ等)で、地の粉下地、天然うるしの下地・上塗りを施したお箸のことを言います。

この「輪島塗箸」は、細い箸に地の粉下地を施し、表面をきれいに仕上げることは、非常に手間と時間がかかります。また、お箸の頭は合成樹脂塗料で仕上げられることが多いのですが、これを天然うるしで仕上げるとなると、これも手間と時間がかかってしまいます。このため、とても高価なものとなります。

※「地の粉」とは、珪藻土を蒸し焼きにして、粉砕して作った粉のこと。輪島塗には欠かせないものの一つ。

輪島塗箸とは「輪島塗」の箸のことです。

平成21年に輪島漆器商工協同組合により輪島木製塗箸の基準が設けられ、今まで輪島塗箸と販売されていたものが輪島うるし箸という位置づけになりました。
その結果、輪島の箸は「輪島塗箸」、「輪島うるし箸」、「輪島箸」という3つの分類になりました。

輪島で作る塗りの箸だから「輪島塗箸」です、と表現するのは不正です。
お客様に「輪島塗の箸」という優良誤認を与えかねない表現だからです。

この規定より以前は輪島うるし箸も輪島塗箸と広く販売されておりました。

輪島塗とは、輪島市で作られた伝統的工芸品のことです。

製造工程要綱によると、
①素地は挽き物(椀生地)・曲物・指物・朴木地などを言う。材質は木材及び脱乾漆・布・紙など伝統的に使用されてきた漆の浸透性のある素材。(陶磁器・金属・ガラス・合成成型素地は除く)
②下地は布着せ・下地塗り・砥ぎ物・中塗りなどによりなり、ヘラ及び刷毛を使用し、伝統的技法で行う。材料は天然漆、布、輪島地の粉を使用する。
③上塗り工程の仕上げは上塗り及び変り塗りよりなり、伝統的な技法で行う。材料は天然漆を使用する。
④加飾工程は沈金・蒔絵・蝋色(鏡面仕上げ)などによりなり、伝統的な技法で行う。材料は伝承されたものを使用する。

 

手描蒔絵
蒔絵(黒)伝統工芸士、手描蒔絵天然うるし、先乾漆本金仕上げ
手描蒔絵 花菱
天然うるし、先乾漆本金仕上げ輪島地の粉にて下地を施し、すべて天然漆で仕上げている。箸先は乾漆仕上げとなっており、すべりにくくなっている。その箸に、手描の蒔絵により、花菱の模様を表現している豪華なお箸。
あけぼの
あけぼの(黒)伝統工芸士、手描蒔絵天然うるし、先乾漆本金仕上げ
天然うるし仕上げ

輪島地の粉にて下地を施し、すべて天然漆で仕上げている。

何回も漆を塗り重ね、箸の角の部分を研ぎ出している。

天然木・天然うるしのみを使用しており、お箸を持ったとき温もりが感じられる。